現在、まだ食べられる食品が大量に捨てられる「食品ロス」が問題となっています。
政府広報によれば、日本人1人当たり毎日おにぎり約1~2個分の食品ロスがあるとされており、日本全体で考えるとなんとおにぎり2億個分もの食べ物が無駄に捨てられている計算になります。
「そんなの私には関係ない」と思う人もいるかもしれませんが、仮におにぎり1個100円に換算して考えるとどうでしょうか?
月に6000円分ものお金をどぶに捨てているのと同じ事になります。一人暮らしの限られた家計の中の6000円の浪費はかなり痛いのではないでしょうか?
そんないいことなしの食品ロスを削減し、家計の節約につなげましょう。
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「買いすぎない」「使い切る」「食べきる」
食品ロスを削減するためのキーワードは「買いすぎない」「使い切る」「食べきる」の3つ。
日常の買い物や調理をする際、この3つのキーワードを念頭に置きながら食品を無駄に捨てないよう工夫する必要があります。
買いすぎない
食品を必要以上に買いだめしたり在庫を確認せずに同じ食材を買ってしまうと結局使いきれずに腐らせ、捨てる羽目になります。生鮮食品は長くても1週間以内、加工食品はおいしく食べられる賞味期限内に食べきれる量だけ買いましょう。
使い切る
一人暮らしの場合、野菜は半分や1/4にカットされたもの、肉や魚なら使い切りサイズの少量パックのものを買いましょう。なお、肉や魚は1週間~10日程度なら味を落とさず冷凍保存できますので、買いすぎた場合は1回分ずつ小分けにして冷凍するのも1つの方法です。
食べきる
食事は1日で食べきれる量だけ作りましょう。例えば夕飯の残りを次の日のお弁当に回せばその分の外食代が浮いて家計の節約にもなります。また、ウェブ検索で余った料理のアレンジについて検索するとたくさんヒットしますので、それらを参考にしてもいいでしょう。
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新鮮な食材を選ぶ(肉・魚介類・卵)
食品ロスを防ぐためには買った後に腐りにくい、良質で新鮮な食材を選ぶことが大事です。
まずは新鮮な肉、魚介類・卵を選ぶポイントをご紹介します。
肉
パック詰め
トレーに肉から出た汁がたまっていない
牛豚肉
鮮やかな赤やピンクで脂身は白くてツヤがある、肉と脂身の境がはっきりしている
鶏肉
肉の色が鮮やかで弾力とハリがある、皮の毛穴が高く盛り上がっている
魚介類
パック詰め
トレーに魚から出た汁がたまっていない
一尾の魚
目が澄んでいる、エラが鮮やかな赤色でうろこがきれいについている
切り身
身に弾力とつやがあり血合いの部分が鮮やかな色である
刺身のさく
角がピンと張っている
殻つきの貝
生きている
アサリ
身にハリとツヤがある、身の大きさが揃っている
イカ
身に透明感とハリがある
新鮮な食材を選ぶ(野菜 果物)
ここでは普段私たちがよく食べる野菜や果物の鮮度の見分け方を紹介します。買う時の目安としてください。
野菜
青菜
葉の先がピンとして緑が濃く鮮やかなもの
キャベツ、白菜、レタス
巻のしっかりした重みがある、切り口や芯の変色や乾燥がない
実を食べる野菜(トマト・キュウリ・ナスなど)
- 色が濃い
- ツヤ・ハリがある
- 重みがある
- ヘタの切り口がしなびていない
根菜
- 重みがある、亀裂が入っていない、張りとツヤがある、色が濃い(ニンジン)
- 太さが一定でしわが寄っていない(ゴボウ)
いも類
- ハリと重みがある、皮にキズやしわがない、芽が出ていない(ジャガイモ)
- 皮がしっとりとしめっている(サトイモ)、皮の色が濃い(サツマイモ)
豆類
- さやにハリがある
- 色鮮やかでみずみずしい
タマネギ
- 皮がよく乾燥していて色が濃くツヤがある
- 重みがある
- 固くしまっている
もやし
- ひげの部分が白い
- 茎が折れていない
- しおれていない
ミカン
- ヘタの緑がきれい
- 形が良くて重みがある
- ぶかぶかした感じがない
リンゴ
- お尻の部分までしっかりと色づき香りが良い
- 重みがある
「旬の食材」を買う
野菜、果物、魚介類は季節ごとに大量に出回る商品があります。それを一般的には「旬」と呼びます。同じ食材でも旬のものは鮮度が高くおいしい上、少量でも割安で売られています。この場合まとめ買いするよりは毎回違う旬の食材を少しずつ買い、1~2日で使い切るのがベターです。
春
野菜 :きゃべつ、タマネギ、新じゃが、さやえんどう、アスパラガス
果物 :夏みかん、苺、さくらんぼ
魚介類:サケ、さより、まだい、あわび、さわら、ニシン
夏
野菜 :トマト、ピーマン、きゅうり、レタス、かぼちゃ
果物 :メロン、すいか、桃 びわ、あんず
魚介類:アジ、かつお、しじみ、鮎、えび、うなぎ、メバル
秋
野菜 :さつまいも、きのこ類、ほうれんそう、にんじん、なす
果物 :梨、洋ナシ、くり、ぶどう、柿
魚介類:さんま、まぐろ、いわし、さば、あさり、ホタテ
冬
野菜 :大根、小松菜、長ネギ、白菜、カブ、ゴボウ、レンコン、春菊
果物 :みかん、りんご
魚介類:きんめだい、はまち、かれい、タラ、はまぐり
捨てる部分を減らす
食品を無駄にしないためには買い方を工夫するだけでなく調理でも食材の捨てる部分を減らす努力が必要です。例えば野菜の皮、肉の脂身など通常なら捨ててしまうこれらの部分を有効活用する事でおかずを一品増やすことができますのでぜひ試してみてくさい。
例えばこんな料理が作れます。
にんじんの皮のきんぴら
☆材料
- にんじんの皮 小1本分
- ごま油 少々
- 七味唐辛子 少々
- 醤油・みりん 各大さじ2/3
☆作り方
- にんじんの皮を細切りにする
- フライパンにごま油を敷き、ニンジンの皮を炒める
- 醤油とみりんを合わせたものを入れて2にからめる
- 仕上げに七味唐辛子を入れてさっと混ぜる
大根菜の油炒め
☆材料
- 大根菜(大根の頭についている葉の部分)
- ごま油 少々
- 醤油 少々
- 炒りごま 適宜
☆作り方
- 大根菜を5mm~1cmの長さに細かく切る
- フライパンにごま油を敷いて1を炒める
- 十分に火が通ったらフライパンの鍋肌にたらすように醤油を入れて混ぜる※
- 炒りごまをふりかけてさっと混ぜる
ここでご紹介したのはほんの一部ですが、ネットや書籍で調べると色々な料理法が出てきますので、興味のある方は検索してみてはいかがでしょうか。
まとめ
日本のみならず先進国全体で問題になっている食品ロス。
食べきれない食べ物を捨てる一回の量は少なくてもそれが毎日のこととなると大変な量です。それらの大量の食べ残しのゴミは私たちの住環境をどんどん悪くしています。
また廃棄された食べ残しを処分するにも莫大な費用がかかっています。そう考えるといかに食品ロスが環境面のみならず経済面でも悪影響を与えているかについても考えた方がいいでしょう。
ひとり暮らしをするという事はすなわち一つの家の世帯主となり社会的責任を果たす事でもあります。食品ロスを減らす方法を考えるのはそんな社会的責任の一つだと考えていいのではないでしょうか。